#53(記録)「オリンピックをもっと深く」治丈太郎 (公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技 大会組織委員会 参与)

2018年12月21日
テーマ:「オリンピックをもっと深く」
ゲスト: 上治丈太郎(公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技 大会組織委員会 参与)

豊岡市のお隣、香美町ご出身の上治丈太郎さんをお迎えしました。ミズノにお勤めのころからアスリートとともに夢を追い、歩んでこられた上治さんからオリンピックの基礎知識や裏話、アスリートとのお付き合いなどを聞かせていただく、楽しいセッションとなりました。豊岡市ではスポーツ特別アドバイザーに就任されています。

国際オリンピック委員会(IOC)とは
1894年(明治27年)にクーベルタン男爵を中心にオリンピックの復興が決議され、本部をスイス・ローザンヌ市に置くIOCが創設されました。4年に一度開催される世界最大のスポーツイベントとして、いまや206の国と地域が参加しています。IOC会長は一期8年(最大延長4年)。上治さんは1980年に会長に就いたサマランチさんの頃から国際的に活躍されてきました。

2020年東京五輪の現状と課題
2013年、2020年の開催地が東京に決定しました。スローガンは、「Discover Tomorrow ~未来(あした)をつかもう~」です。

本番では1日30万人の訪日が見込まれ、10万室のホテルが必要と見られています。これには客船なども利用して対応することになっています。また、「救急・災害医療体制を検討する学術連合体(コンソーシアム)」を組織するなど、大会期間中のリスクに備えています。

2020年オリンピック・パラリンピックの危機管理上最も大きな課題は、天候との闘いです。ゲリラ豪雨や台風、真夏日/猛暑日の発生が懸念されています。地震についての備えも必要ですし、インフラの対応、中でも交通対策は大きな問題です。交通機関への影響を考慮して、マラソンのスタート時間を早めたり、祝日を移動するなどして対応することにしています。

また、過去のオリンピックでは、テロに脅かされたこともあることから、テロ対策も必要です。1972年のミュンヘン五輪ではパレスチナ・ゲリラによるテロが発生。2012年のロンドン五輪では、テムズ川に軍艦、ハイドパークに迎撃ミサイルが配備されました。2016年のリオデジャネイロ五輪では、警察官のストライキのため軍隊85,000人が投入されました。

大会では33競技324種目が実施されますが、そのうち野球/ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5つは今回の追加競技です。野球は、ヨーロッパでルールが知られていないようです。また試合時間が長いことでも敬遠されます。一方、85の国でやっていない近代五輪という種目がありますが、これはクーベルタンが作った種目なので、外されることはないそうです。

大会期間中、NOCハウスと呼ばれる各国のホスピタリティ・ハウスが設置され、自国のビジネスプレゼンテーションを行ったりするのも楽しみのひとつです。

オリンピックとスポーツビジネス・マーケティング
オリンピックで使用するスポーツ用品には、通気や空気抵抗などについての細かい規定があります。また、ウェアなどに付けるメーカーロゴも、競技団体によっては上の方に付けてはいけないなど、細かい規定があります。

契約した選手が好成績を上げることは、メーカーにとって大きなビジネスチャンスにつながるため、熾烈な開発競争が繰り広げられてきました。偉大な選手たちは契約したメーカーと二人三脚でスポーツ用品やウェアの性能を追求し、スポーツ品市場を変革させてきました。上治さんはミズノのスタッフとして、価値、イメージ、レガシーをビジネスとどうリンクさせるかに心を砕きながら、数々の有力選手と契約を結び、さまざまな角度から親身に選手を支え、信頼を得てきました。どの競技においても、選手の皆さんは本当に努力をしていると称えておられました。

さて、2020年7月24日の開会式まであと581日。一人ひとりがどんな風にこの日を迎えるでしょう。

この日までに、自分が、家族が、企業がどう生まれ変われるか?何かを成し遂げるか?ワンカップ酒のようにそれぞれが何かに挑戦しながらこの日を迎えるのはどうでしょうというのが、上治さんのお勧めでした。

#53(案内)上治丈太郎 氏(公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技 大会組織委員会 参与)「オリンピックをもっと深く」

2018年12月21日
テーマ「オリンピックをもっと深く」

「第53回 但馬コネクション」のご案内

12月は、上治丈太郎氏(公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 参与)をお迎えし「オリンピックをもっと深く」というテーマでセッションを進めて参ります。

上治氏は、香美町香住のご出身、県立豊岡実業高校を卒業後、美津濃株式会社に入社。ミズノ海外進出の最前線に立ち、多くの世界のトップアスリートたちと交流。1988年のソウル・オリンピックでは、陸上のカール・ルイス、フローレンス・ジョイナー(女子100m金メダリスト)らとの契約に成功。

その後、F1レーサーのアイルトン・セナのサポート、ハンマー投げの室伏広治選手やサッカー日本代表の本田圭佑選手らとの信頼関係は深い。キラ星のような世界のトップアスリートとのエピソードを交えながらお話をお聴きします。

ミズノでは、平社員から常務、専務、副社長、相談役として、深くスポーツビジネスに関わってこられた上治氏。その生い立ちから世界のミズノへ躍進した原動力としての経験談、さらに、2年後に迫った東京オリンピックの 注目競技は? 注目選手は?「ズバリ2020年東京オリンピックここに注目!」を語っていただきます。

たくさんの方のご参加をお待ちしております。

上治丈太郎氏プロフィール
1947年(昭和22年)香美町生まれ。豊岡実業高校卒。ミズノ時代は1988年ソウル五輪の統括リーダー以来夏冬合わせ14回ミズノのオリンピック統括リーダーを務める。現在、公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技組織委員会 参与。他に、JOC国際人養成アカデミースクールマスター、スポーツ庁審議委員など多数の公職。

日 時: 2018年12月21日(金) 19:00~22:00 (受付開始18:30)
場 所: ドーモ・キニャーナ(豊岡市日高町江原)
ゲスト: 上治丈太郎 氏(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組          織委員会 参与
テーマ: 「オリンピックをもっと深く」
参加費: 3,000円
※ 講演後、立食交流会があります。
※ 参加申込は、info@tajimaconnection.com までメールでお知らせ下さい。
※ 参加希望の方のみご連絡ください。(不参加のご連絡は不要です)
(先着40名様) (「満席」のお知らせはe-mail、HPでお知らせします)